発達障害の子育ては大変!

子育て

理解が大切

今の仕事をするようになって、発達障害の子どもを持つお母さんと話す機会も多くなったのですが、その奮闘ぶりには本当に頭が下がる思いです。
発達障害の子どもは、普通の子どもなら何の問題もなくできることが、とても難しくなってしまいます。
例えば、多動の子どもにとって、じっと座って先生の話を聞くのはとても苦痛なこと。
「なぜ座っていなければならないのか」もうまく理解できないために、立ち歩いたり勝手に遊びだしたりしてしまうのです。
当然、周りの先生はそれを注意しますが、その子には、なぜ注意されているのかが理解できず、その結果「悪い子」として扱われてしまうことが多いそうです。
最近の教育現場ではだいぶ理解が進み、障害に合わせた教育ができるようになったそうですが、バスや電車でおとなしくできずに知らない人に怒られたり、親戚から親の教育が悪いと言われたりと、無理解のせいで辛い思いをすることはまだまだ多いとか。
また、コミュニケーションがうまく取れないために他の子どもとけんかになってしまうことが多いのも、親として見ていてつらいでしょう。

試行錯誤しながら勉強していく

学校に通っている子どもにとっては、勉強も大きなハードル。
発達障害の症状は人それぞれですが、学習障害を持っている場合には、特定の勉強がどうしてもできない場合があります。
計算ができない、どうやっても文字を書くことができないなど、子ども自身は一生懸命取り組んでいるのに、障害のせいで思うようにいかないのは大変なストレスでしょう。
そのうっぷんが、家に帰って一気に爆発してしまう子もいるようです。
家庭学習をお母さんがサポートすることも多いそうですが、それも障害のない子どもと同じようにはいきません。
どうすれば、子どもが理解できるのか。時には専門家の助けも借りながら親子で試行錯誤していかなくてはならないのです。

家の中で暴言を吐いたり、暴力をふるったりという行動をとる子どももいます。
小さな弟や妹のいる場合はケガの心配もありますし、一生懸命育てているのに暴言を吐かれるのは、辛いことですよね。
お母さん自身が疲れ切ってしまう時もあるようです。
そんなお母さんに、相談機関やカウンセラーを紹介するのも、小児科の仕事のひとつなんです。

発達障害が見つかる年齢は人それぞれですが、多くのお母さんは、はじめは受け入れられなかったと言います。
しかしそれでも、子どもなりの成長をみとめ、支えていかなければならないのがお母さん。
悩みながらも一生懸命な姿は、本当にすごいと思います。
私は、そのようなお母さんの話を聞くことぐらいしかできませんが、話すことで少しでもスッキリしてくれたらいいなと思っています。